以下は、Famdirksen/laravel-google-indexing を “初見の開発者が 30 分で起動・把握できる” レベルの README およびドキュメント構成案です。リポジトリを完全に把握した訳ではないため、要確認 の箇所を明記しています。

1. 俯瞰サマリ

このパッケージは、Laravel アプリケーションから Google の Indexing API（URL の追加・更新・削除 / ステータス取得）を呼び出すためのラッパー／ユーティリティライブラリです。

主な構成要素は以下です：

• src/ 以下に、API 呼び出しを抽象化するクラス群（クライアント、通知モデル、ファサード等）

• config/laravel-google-indexing.php（設定ファイル）

• tests/ にテストケース

• .github/ に CI ワークフロー

• Composer によるパッケージ定義

データフロー（典型的なユースケース）：

1. ユーザー側（Laravel アプリ）が LaravelGoogleIndexing::update($url) 等を呼び出す

2. 内部で Google API クライアントに認証情報を渡して、Indexing API の publish（または getMetadata）を呼び出す

3. Google からのレスポンスをパースして返却

外部依存としては Google の Indexing API（とそれを利用するための認証／サービスアカウント）が必須です。

このパッケージ自体は “アプリケーション” というよりライブラリなので、別 Laravel プロジェクトに組み込んで使うのが前提です。

2. ディレクトリマップ

.
├── .github/
│   └── workflows/           ← CI／GitHub Actions ワークフロー定義
├── config/
│   └── laravel-google-indexing.php   ← 公開される設定ファイル
├── src/
│   ├── Client.php            ← Google API クライアントラッパー
│   ├── UrlNotification.php   ← 通知（更新／削除）オブジェクトモデル
│   ├── Service.php           ← 主たる処理を纏めたサービスクラス
│   ├── Facade.php            ← Laravel 用ファサード定義
│   └── …（他補助クラス）  
├── tests/
│   └── … テストケースファイル  
├── composer.json             ← パッケージ定義、依存関係  
├── phpunit.xml.dist          ← PHPUnit の設定テンプレ  
├── README.md                  ←（この README が置き換える対象）  
├── CONTRIBUTING.md            ← 貢献ガイド  
├── CHANGELOG.md               ← 変更履歴  
└── LICENSE.md                 ← MIT ライセンス記載

各ファイル／ディレクトリの役割補足：

• Client.php：Google API への認証・リクエスト送信を担当

• Service.php：高レベルな操作（update/delete/status/multiplePublish など）を提供

• UrlNotification.php：通知ペイロード（URL＋タイプ）を表現

• Facade.php：Laravel 側での静的呼び出しを可能にするラッパー

• config/laravel-google-indexing.php：認証ファイルパス、API オプション等の設定を記述

• tests/：正しい応答・例外処理などのユニットテスト

• .github/workflows：CI（例：PHPUnit 実行、コード品質チェックなど）設定

3. 重要モジュール解説

以下、主要なクラス・機能を “入出力 / 副作用 / 前提 / トレードオフ” の観点で解説します。

1. Client クラス

• 入力：認証情報（サービスアカウント JSON など）、API スコープ、URL 通知オブジェクト

• 出力：Google API のレスポンスオブジェクト（もしくは例外）

• 副作用：HTTP 通信を行う（Google API サーバーとやりとり）

• 前提：認証情報が正しく、サービスアカウントが Search Console に紐づけられていること

• トレードオフ：低レベルなアクセスを隠蔽するため簡易性を取っているが、エラー詳細な調整はしにくい可能性あり

2. Service クラス

• 入力：URL や通知タイプ（URL_UPDATED／URL_DELETED）、複数 URL 配列

• 出力：操作結果（成功／失敗情報）、レスポンスデータ

• 副作用：複数 URL を一括して Google API に送信可能（バッチ処理）

• 前提：入力 URL は完全修飾、許可された構造化データを含むページであること（Google の仕様制限）

• トレードオフ：バッチ送信は効率的だが、個別失敗時の細かい制御が難しくなる可能性

3. UrlNotification クラス

• 入力：URL、通知タイプ

• 出力：リクエストボディ形式（JSON 等）

• 副作用：なし（純粋モデルオブジェクト）

• 前提：タイプは URL_UPDATED または URL_DELETED など限定された列挙値

• トレードオフ：単純さ重視。将来的に拡張性を考えるなら他のフィールド（タイムスタンプ等）を含める可能性

4. Facade（Laravel 側）

• 入力：静的メソッド呼び出し（例：LaravelGoogleIndexing::update($url)）

• 出力：内部で Service を呼び出した結果

• 副作用：Facade 経由の呼び出しを簡便化

• 前提：Laravel のファサード機構設定（aliases やサービスプロバイダー登録）が正しく行われていること

• トレードオフ：Facade により利便性は上がるが、裏の依存性注入が見づらくなる

5. 設定ファイル config/laravel-google-indexing.php

• 入力：環境変数（認証ファイルパス、API オプションなど）

• 出力：クラスが用いる設定値

• 副作用：設定読み込み時にデフォルト値や環境変数を評価

• 前提：php artisan vendor:publish 等で正しく config が公開されていること

• トレードオフ：扱いやすさ重視。複雑な設定ロジックを多く入れると可読性が下がる

6. tests（ユニットテスト群）

• 入力：入力 URL、想定レスポンスモック

• 出力：期待通りのクラス動作、例外発生など

• 副作用：HTTP 通信はモック化されるべき（本番 API には向かない）

• 前提：Google API 呼び出しをモックできる設計になっている必要あり

• トレードオフ：モック前提なので、実際の Google API との整合は別途実環境で確認が必要

4. アーキテクチャ図（Mermaid）

以下は、C4 レベルの コンテナ／コンポーネント図 想定です：

graph LR
  subgraph Laravel アプリケーション
    A[ユーザー呼び出し（Controller / Job）] --> B[Facade（LaravelGoogleIndexing）]
    B --> C[Service クラス]
    C --> D[Client クラス]
    C --> E[UrlNotification モデル]
  end
  D --> F[Google Indexing API]  
  E --> C
  style Laravel アプリケーション fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:1px

凡例：

• 矢印：呼び出し／依存関係

• 四角：モジュール／クラス

• 外部：Google Indexing API

（この図は簡略版です。実際にはエラーハンドリング、バッチ処理、レスポンス処理などをもう少し細分化してもよいです）

5. 起動手順（再現性重視）

以下は、このパッケージを “ラッパーとして使う Laravel アプリ” を前提とした起動手順（“ゼロ環境” 想定）になります。

必要環境

• PHP バージョン：Laravel が要求するバージョン（例：PHP 8.0 以上）

• Composer

• Laravel（別リポジトリ／プロジェクトでインストール済みと仮定）

• Google Cloud アカウント、サービスアカウント、Indexing API 有効化

• Search Console でドメイン所有権確認済み

• 書き込み可能なストレージ（認証ファイルを保存する箇所）

.env.example（このパッケージ向け拡張例）

以下のような項目を .env.example に追加しておくとよいでしょう：

GOOGLE_SERVICE_ACCOUNT_JSON_PATH=/path/to/google-service-account.json
GOOGLE_INDEXING_SCOPES="https://www.googleapis.com/auth/indexing"
GOOGLE_INDEXING_API_RETRY=true
GOOGLE_INDEXING_BATCH_SIZE=10

（要確認：実際にこのパッケージがどの設定キーを読んでいるかはコードを見て補正してください）

起動・構成手順

1. Laravel アプリ（ホストプロジェクト）にこのパッケージを追加

   composer require famdirksen/laravel-google-indexing

2. パッケージの設定ファイルを公開

   php artisan vendor:publish --provider="Famdirksen\LaravelGoogleIndexing\ServiceProvider" --tag="config"

3. .env に上記の認証情報設定を追加（GOOGLE_SERVICE_ACCOUNT_JSON_PATH 等）

4. Google サービスアカウント JSON ファイルを配置（例：storage/app/google-service-account.json）
   config/laravel-google-indexing.php にそのパスを指定

5. （オプション）キャッシュクリア・設定リロード

   php artisan config:clear
   php artisan cache:clear

6. Laravel から呼び出し例（例えば、テスト用ルートなど）を作る：

   use LaravelGoogleIndexing;
   Route::get('/test-index', function () {
       return LaravelGoogleIndexing::update('https://example.com/some-page');
   });

7. ブラウザで http://localhost/.../test-index にアクセスし、レスポンスを確認